渓流トラウトのリリース方法について
Twitterで反響が大きかったので書きたいと思います。
いきなり脱線しますが
管理釣り場のエリアトラウトの場合は、手で触ると火傷のような状態になってしまうので素手で触らないようにしましょう。その時は大丈夫でも後日、手で触った部分が病気に感染して白い綿状の火傷のようになる事が多いです。
ランディングネットに入れたら水中でそのままフックを外してあげるのが良いでしょう。
理想はネットに入れずにリリーサーでさっさとフックを外して逃してあげる事だと思います。
とにかくエリアトラウトは直接手で触る事にかなり弱いので注意してください。
渓流トラウトのリリース方法ですが
やはり理想は水中から抜き上げず魚体に一切触れずにペンチやフォーセップでフックを外して逃してあげる事だと思います。
私はシングルバーブレスフックを多様しているので魚体に触らずにフックだけ詰まんで逃がす事が多いです。
ただ、釣りをする人ならやはり釣り上げたナイスサイズの魚は写真に残したいですよね。
水深があって足場が高い場合はやむを得ないですが、出来るだけ浅瀬で流れのある場所で片方のエラが水中にあり、口から水が入ってエラから抜けていく状態で横たえて写真を撮るようにした方が良いと思います。
その為にもランディングネットはあった方が良いと思います。私も逃げられても良いと思ってる場合やネットに入り切らない場合はランディングネットを使わずに浅瀬に誘導して写真を撮っていますが、やはりランディングネットの枠の中に魚を入れておいた方が逃げられにくいです。(逃げられるよりもランディングネットで魚の粘膜を取るのが嫌う人もいます)
例え濡れている場所でも完全に水中から出してしまった方がトラウトは暴れやすく感じます。だから、出来るだけ片方のエラが水中にあるような状態にしてあげてください。中にはそれすら良しとせずに水中から両方のエラを出さない状態で写真を撮影される方もいます。
水深がある場所で足場が高い場合は急いで写真を撮って水中に戻してあげましょう。
その際にコンクリや乾いた土の上には置かないようにしてください。
乾いた地面やコンクリートの上はトラウトの粘膜を剥がしてしまい極端に弱らせてしまう可能性がとても高いです。
その場合はなるべく濡れたランディングネットで草の上に置いた方が良いと思います。
ブツ持ち写真ですが、魚を持ち上げる前に必ず手を濡らして冷やしてから触るようにしましょう。
また、大きい魚程暴れますが、一度暴れ初めて落ち着かないなら水中に戻して落ち着かせましょう。
その際にはやはりエラの片方が水中に入っていた方が良いです。
一度体を捻って暴れたら、次にまた暴れるまで時間がある場合が多いのでその隙に写真を撮ってしまいましょう。
魚が大きければ大きい程、持ち上げる際には胸鰭の下付近となるべく尾っぽの方を持ち、お腹は持たないようにしてください。内臓が圧迫されて弱ってしまう可能性があります。体の半分くらい水中に入っていて軽く支える程度なら大丈夫だと思います。
また、魚のエラはとても重要な器官でとても弱く、エラに傷が入ると致命傷になります。
だからブツ持ちをする際にはエラに手を突っ込んだりするのは絶対にしないようにしましょう。
エラブタに指を引っ掛けて持ち上げるのも良くありません。
私も50オーバーや記録的な魚はブツ持ち写真を撮影しますが
3月頭に私がミノーで釣り、1ヶ月後に相方のスプーンに猛烈にチェイスして来て釣り上げたブラウントラウトがいます。
サビが取れてだいぶ鮮やかになってました。
二回目も元気に泳いで行ったので、ひょっとしたらまた釣れるかもしれません。
また、トラウトは大きければ大きいほど酸欠に弱いです。
(70センチを超えてくると本当に弱くなります)
常に呼吸に気をつけてあげてください。
酸欠になると目がイッてしまう状態になりますが、少しでも目がおかしくなったら呼吸させてあげてください。そのまま空気中で撮影を続けるのは危険ですし、目が飛んでる状態の魚の写真を良く思わない人が大勢います。すぐに水中に戻してしばらく呼吸をさせてあげれば回復する場合がほとんどです。
また口から出血をしたまま写真を撮ってしまう事もあると思いますが、ぜひ水で洗い流してあげてから撮影をしてあげてください。
やはり渓魚は美しく撮影してあげて欲しいと思います。
せっかく素晴らしいトラウトを釣って写真を撮っても目がイッてるとか血が・・・とか言われるとショックですよね・・・そんな思いをしない為にもこの辺もぜひ気をつけてください。
もしも、魚が弱ってしまった場合にはちゃんと蘇生させてあげましょう。
流れのある場所で上流に顔を向けてあげて魚の口の前でバチャバチャと水をかき混ぜて空気中の酸素が少しでも取り込まれるようにしてあげましょう。流れがないと水の中の新しい酸素が供給されないので、可能な限り流れの中でこの作業をした方がいいと思います。
逆に流れがない淀んでる場所だと呼吸困難になる場合があるので気をつけてください。
自力で泳げるようになるまで蘇生を続けましょう。
私も毎回完璧にリリースが出来てる訳ではありません。
足場が高くて浅瀬がない場合には草の上に乗せて写真を取る事もあります。
雪の上に置いたらおとなしいのでさっさと写真を撮ってリリースする事もあります。
上記に書いた事も最初からわかっていたわけではありません。
指摘されて教えて貰った事や調べた事、試行錯誤した結果になります。
今ではエラが水中にあるようにと気を使っていますが、濡れてる場所とは言え完全に魚を水中から出して、サイズを測ったり写真撮影に手間取ってしまった事もあります。
またフックがエラに刺さってしまってデッドさせた事もあります。フックがエラに刺さって血が出てしまった場合は致命傷になります。
デッドさせてしまった日には楽しかった1日が台無しになるくらい落ち込みます。
釣りたいけど命まで取りたいわけではないのです。
だからなるべく魚を弱らせないように自分が考え得る方法でおこなっています。
人によってこの辺の価値観はきっと違うでしょう。
私が正しいと思ってやっている事もある人にとってはNGの場合もあると思います。
ただ、私は同じ魚を2回釣る事が結構あります。
だいたいそういう場合は同じポイントもしくはその前後で2週間後に釣れる場合が多いです。
72.5センチだったブラウントラウトが翌年に77センチに成長して時にはめちゃくちゃ感動しました。
2014年にキャッチした時は72.5センチ
反対側の写真です。
1年後に再びキャッチした時には77センチにも成長してました。
斑点を見比べれば同一の魚だとわかると思います。
また2016年の正月に釣った77センチが数ヶ月後に再び釣れた事もあります。
数ヶ月後に更に難易度が上がっていましたがバイトさせキャッチする事に成功しました。
ちょっと痩せてしまっていましたね・・・
あなたがリリースした大物は、また別の誰かにキャッチされてその人の夢を叶えてくれるかもしれません。
また、ここまで大物じゃなくても数ヶ月後に再開というのはちょいちょいあります。
上は12月で下が2月です。全く同じポイントに付いてました。
ブラウントラウトは斑点で個体を識別しやすいです。
イワナやヤマメそしてニジマスは全く同一の個体なのか傷でも付いていなければわかりにくいと思いますが、Fishmanテスターの佐藤さんもニジマスの60センチオーバーで同じ個体を2回釣ったりしてます。これは口がとても特徴的な個体で判別可能でした。
たまに、口に針を引っ掛けて引きずり回しておいて優しくリリースとか何言ってるんだ。と言う人がいますが、この渓流釣りという遊びを末永く愉しむ為にもキャッチアンドリリースは大事だと思います。
トラウトへのダメージは出来るだけ最小限にしてキャッチ、そして写真を撮りたい。
そしてリリースして子孫を残したり、更に大きくなって他の誰かを感動させてあげて欲しかったり、ビッグトラウトになって再会して欲しいと思っています。
もしも、初心者で魚の扱いがちょっと・・・という場面に出くわしたら・・・ぜひ優しくトラウトの扱い方を教えてあげてください。
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